初診カウンセリングで失敗する理由

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多くの歯科医院では

初診来院した患者にカウンセリングする理由は、
患者のことを理解するためです。

つまり、質問して患者の現在の
悩みや問題、欲求を聞き出すためです。

でも、私が質問する理由は
もっと重要なことがあります。

それは、患者自身が自分のことを
さらに深く理解するために質問しているのです。

自らのことが明確になれば、
患者は自らのニーズを明確に知る事になるからです。

そうなれば、歯科医院が提供できる治療の必要性も
理解しやすくなるわけです。

 

どんな順番で質問すればいいのか?

 

実は、歯科医院に来院した患者は
あまり歯のことを考えていません。

来院した時点では、
「歯が痛い」「銀歯が取れた」「入れ歯が合わない」など
いわゆる主訴だけが頭の中にあります。

では、何を考えているのかというと、

「まだ終えていない今日の仕事をどうしようか」
「月末までA社との取引をまとめなければ」
「午前中に上司から与えられた課題を明日まで仕上げないと」

あるいは、

「今週末は家族でどこで食事をしようかな」
「連休は子供と何をして遊ぼうか」
「今月は娘の誕生日だからプレゼントは何にしよう」

など等、お口の中の悩みや問題以外のことの方が
頭の中の大半を占めています。

このような状況で

「銀歯がとれた。でも痛くない」という患者に対して、
「銀歯ではなく、セラミックの白い歯を入れませんか?」
と提案してもすぐに真剣に考えてくれるはずがありません。

ですからカウンセリングでは、

治療の必要性を訴えたり、提案したりしないで
患者の頭の中にある多くの事柄(悩み、問題、欲求)の中から
これから提案したい治療に必要性を感じる事柄に
スポットを当てた質問をしなければなりません

TCの質問によって、まずは「提案したい治療の必要性を
感じる事柄や悩み、問題、欲求にスポットを当てる」
ということです。

 

たとえば、「銀歯が取れた」患者は、
銀歯が取れたことしか頭にありません。

そこで、質問すべきことは、
「銀歯が取れて困ったことは何ですか?」です。

この質問で「銀歯が取れた」という患者の主訴が、
「銀歯が取れたことで困ったこと」という悩みへと
変換させることができるのです。

こうすることで、

「また同じように銀歯がとれたら困る」と感じてもらえ、
「今回つけても、すぐにまた取れるならしっかりした
ものをつくった方がいいかもしれない」
考えてもらえるようになるのです。

 

カウンセリングでは説明ではなく、なぜ質問が有効なのか?

 

カウンセリングでは早い段階に、
悩みや問題、欲求にスポットを当てることで、
患者は何らかの必要性を思い出してもらいます。

そうすることが提案したい治療を
採用してもらう第一歩になります。

そして、できるだけ患者に話をしてもらうのです。

患者は自分の話をすることで、
自分の悩みや問題、欲求を意識し出します

TCの説明を聞いているときというのは、
患者はただ話を聞いているだけなので
自分の悩みや問題、欲求を意識できないのです。

ところが、自分で話をしだすと
意識し始めるのです。

理由は、簡単です。

人は質問されると脳はそれに答えようとして、
頭の中で答えを探したり、組み立てたりするからです。

これは「内省」といって、
自分自身と向き合うことになります。

内省するときは自分自身のことに
スポットをあてることになるので
悩みや問題、欲求を意識しないと答えが出てきません

だから質問が有効なのです!

 

しかし、ほとんどの歯科医院のTCは、
いかに説明して説得させるかしか考えていません。

いかにすばらしい治療であるか、
そしていかに効果があるのかばかりを訴えます。

実は、これが大きな間違いです。

それはあくまでの歯科医院側の立場での話です。

治療を受けるか、受けないかの最終決定は
TCが決めることはできません。

決定権は患者にあります。

大事なことは患者自ら「それにしよう!」と
思ってもらうことです。

そうなるためには、患者に自分自身の心の中を
話してもらわなければなりません。

患者の心の中は歯科医院側には見えませんが、
実は患者自身も意外に自分の心の中が見えていません。

だから質問して、その心の中を話してもらう
ことが大事なのです。

 

質問だけではダメ!共感がカギを握る!

 

大事なことはTCが質問して患者に話をしてもらい、
悩みや問題、欲求を意識してもらうことです。

それによって提案したい治療の必要性の必要性に
気づいてもらうことです。

こう考えるとTCの役割は、
患者の悩みや問題、欲求を明らかにするために
質問してあげることです。

そして、患者の側に立ち、一緒になって
解決策を考えてあげるのです。

このような患者との会話の中で重要なのが
「共感」です。

共感とは、「患者のことを自分のことのように感じる」
ということです。

これが、まさに患者側に立つ姿勢です。

患者側に立ち、その意見をしっかり認めてあげることが
「共感」です。

 

誰でも自分を認めてもらうことは嬉しいものです。

自分の思いや考えを認めてもらうことでも、
自分により一層の自信を強めます。

そうなると、人は物事に前向きに取り組みだします

すると、自然と前向きな答えを
出してくれるようになります。

ですから、質問と同じくらい共感が大事なのです。

 

といっても、共感を難しく考えることはありません。

患者の答えに対して、
「それは大変ですたね」
「それはつらかったでしょう」
「そうですよね」
といった言葉を返せばいいのです。

できれば声を出すだけでなく、
頭や体を上下に振って大きくうなずき、
身振りでも表現してあげればさらによいでしょう。

それを見た患者はTCが共感してくれたことを
実感します。

それは「自分のことをこんなに真剣に考えてくれる人がいる」
という喜びに満ちた感情を持ってくるのです。

患者がこのような状態になれば、
自ら自分の悩みや問題、欲求の解決に向けて
行動するようになります。

患者自らが答えを見つけるために、
TCが患者に質問し、共感することで会話は
どんどん展開していきます。

 

もちろん、TCも患者の側にたって一緒に、
悩みや問題、欲求を明らかにしたり、
解決策について考えていくわけです。

すると、最終的に患者は”こんなこと”に
気づきます

「問題は・・・だ」
「・・・したらいいかもしれない」
「やっぱり、・・・しないといけないな」

つまり、患者自身が答えにたどり着くということです。

答えにたどり着いたら、
あなたが提案したい治療を提示すればいいのです。

「それを解決する方法があります」
「○○ならそれを解決できると思うのですがいかがでしょうか」

たったこれだけす。

 

この流れで話を進めると、
患者は売込まれたと感じません。

もちろん、歯科医院側も売込もうなどとは思っていません。

つまり、いつの間にか患者のよき理解者であり、
サポーターになっているのです。

この状況をつくってから治療方法を提示すれば、
患者は素直にその説明に耳を傾けてくれます。

そして、患者の悩みや問題、欲求の解決に絞った
説明をするだけで自由診療が決まるようになります。

このようにTCが質問して、
患者に答えを見つけてもらうことはとても効果的です。

 

まとめ

 

・ 初診カウンセリングで患者に質問する理由は、
     患者のことを知るためではない

・ 初診カウンセリングで患者に質問する理由は
     患者の頭の中を整理するため

・ カウンセリングを成功させるポイント第一歩は、
     患者の頭の中にある多くの出来事から
     歯の問題にスポットを当てることから

・ 治療選択の決定権は患者にある

・ 質問と共感はセットで行ってこと最大の効果を得られる

・ TCと患者の会話の最終段階では、
     患者が自ら自分の悩みや問題、欲求が何かを知る

・ 自らの悩みや問題、欲求に気づいた患者は、
      それを解決しようと自ら治療選択をすることになる

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