歯科医院で成功するカウンセリングの流れとは

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カウンセリングを説明と勘違いしている
歯科医院がとても多いです。

その結果、いい技術や機材がそろっているのに
患者さんに提供できないでいるのです。

では、どのようにカウンセリングだと
患者さんは歯科医院の提案を受けやすくなるのか?

具体的に4つのステップで説明します。

 

ステップ1 「現状」を質問する

 

現状の質問方法から説明します。

現状とは、現在の状況です。

つまり、見込み患者が置かれている状況について
「自身がどう思っているか?」を聞くのです。

 

つまり、

① 見込み患者は何を考えているのか?

② なぜ、そのように思っているのか?

③ たとえば、どのようなことに取り組んでいるのか?

④ 取り組んでいる方には、その結果、どうなのか?

        満足しているのか?いないのか?

        取り組んでいない場合には、その問題を解決することが
        必要なのか、必要でないのか?

       あるいは興味があるのか、ないのか?

 

人の行動原則は、
「人は自分の思ったとおりに動きたい」
「人は自分の思ったとおりにしか動かない」
というものです。

この原理をさらに細かく見てみると、
人の心の動き(=流れ)が明らかになってきます。

 

つまり、

「①思う→②考える→③行動する→④結果」

という流れです。

 

解説すると、
「①何かについて思うから、→②そのことに考え、
→③行動する→④そして、結果を出す」ということです。

 

たとえば、見込み患者が新しい入れ歯に
つくり替えることを考えているとします。

 

すると、

①今の入れ歯はもう5年も使っているし、
ゆるくて話をしていても外れそうになる。

食事をしていてもガタガタしてうまく噛めないと思っている。

②だから、新しい入れ歯につくり替えようと考える。

③インターネットや調べたり、知人や友人に話を聞き、
歯科医院の情報や噛める入れ歯について情報を得る。

④歯科医院を決めて新しい入れ歯づくりを始める

という具合に進んでいくのです。

 

このとき、あなたは②の「考える」を軸に、
見込み患者に次のように質問すればいいのです。

 

①(思う)「○○さんは、今お使いの入れ歯について
どのようなことを考えられているのですか?」
→「新しい入れ歯につくり替えようと考えている」

②(考える)「なぜ、そのように考えられているのか?」
→「古くて使い勝手が悪いから」

③(行動する)「入れ歯をつくり替えるにあたって、たとえば、
どのようなことに取り組んでいるのですか?」
→「今、いろいろと調べている」

④(結果)「その結果はいかかですか?」
→「いろいろ調べてはいるが、どこの歯科医院も、
入れ歯も一長一短で、よくわからない」

 

いかがでしょうか?

もしあなたが見込み患者だったら、どう感じるでしょう。

きっと、自分自身の考えが明確になっていくのを
感じることでしょう。

それとともに、このように質問してくれたあなたに対して、
「この先生は売込みではなく、私のことを聞いてくれている」
と感じるはずです。

しかし、それはこれらの質問を覚えておけばいいだけです。

 

ステップ2 「希望する未来」を質問する

 

次のステップは、改めて現状に対して
希望する未来を聞くことです。

そして、その中でも問題、課題について質問することです。

 

このように質問することにより、
見込み患者は「自分がどうしたいのか?」
「何を求めているのか?」がますます明確になっていきます。

 

そこで、現状を質問した後に、次のような質問をします。

「そのような現状の中で、○○さんはどのようにしたいのですか?」

すると、見込み患者は、まず、
ふと「そういえば、私はどうしたいのだろう?」
と考えるようになります。

たいがいは素早く答えてくれるのでしょうが、
たまには、はたと考える方もいらっしゃいます。

その間は、考えていただく時間を邪魔しないようにしましょう。

どちらにしても、改めて、患者自身が自分の欲求を確認し、
たぶんこんな答えが返ってくることでしょう。

「○○で××な入れ歯が希望だ」

なかには、

「入れ歯だから仕方ない」
「今は何も考えていない」

などと、答える見込み患者がいますが、
その場合は再度、
「本当にそう思われているのですか?」
と、質問してみてください。

そして、「本当にそう思っている」と言われたら、
この話はこれ以上進展しません。

何しろ、見込み患者自身が思っていないのですから。
その場合は、
「では、また必要なときには遠慮なくお声かけください」
と言って引き下がります。

先ほどのように答えていただければ、次のように質問します。
「では、それを実現するには、何が一番の問題(あるいは課題)ですか?」

この時も、しばらく時間を待ちます。

 

もし、しばらく待っても回答がでないようなら、
こちらから予測して投げかけてあげます。

その時の質問は、
「たとえば、………のような問題ですか?」と。

この場合、あなたの予測が合っているか外れているかは
問題ではありません。

予測はあくまでも刺激です。

合っていて、「その通り」と言われたら、
次のように質問します。

「なぜ、そう思われるのですか?」

もし外れていたら、
見込み患者はあなたの言葉が刺激となって、
本当の問題を見つけ出してくれます。

このように問題に集中してもらうことにより、
解決に乗り出してもらえます。

 

先ほどの、入れ歯のつくり替えの続きで考えてみましょう。

あなた:「いろいろ現状を聞かせていただきましたが、
改めてお聴きしたいのですが、新しくつくり替える入れ歯に対して、
どうしたいと思っておられるのですか?」

患者:「できれば、いい入れ歯にしたいです」

あなた:「なるほど。そうですよね。
では、○○さんが新しい入れ歯づくりに向けて
いろいろ行動をされている中で、何が一番問題(課題)ですか?」

患者:「そうですね。できれば自分の歯のように食事ができて、
話す時も違和感がなく、見た目もカッコよくしたいのですが、
実はまだはっきりしていないとことですね」

あなた:「なるほど。○○さんはいいところに気がつかれたのではないですか」

このように展開していくことにより、
新しい入れ歯づくりに対しての問題(課題)を、
見込み患者が自ら明確にすることで、
気持ちも明確になっていきます。

 

さて、ここまでお読みになって、何かお感じなったでしょうか。

それは見込み患者が答えに詰まっても、
「あえて歯科医が答えてはいけない」ということです。

ほとんどの歯科医は、
本来見込み患者に言ってもらうべき答えを
先生が言ってしまいがちです。

 

たとえば、こんな感じです。

あなた:「そうですようね。○○さんは新しい入れ歯をつくるなら、
いい入れ歯をつくりたいと思っておられますよね」

患者:「………」

あなた:「○○さん、やはり、まずはどういう入れ歯にしたいかを
明確にする必要があるのではないでしょうか?」

患者「………」

 

このように言われると、見込み患者は
「確かに、この先生の言うとおりだ」と思うはずです。

しかし、何か引っかかります。

それは、歯科医が説明しているからです。

見込み患者は、自らの意思で決めたいのです。

そのため、「私に任せておけば大丈夫」と言わんばかりに、
次から次へと説明されると困ってしまうのです。

 

とても重要なので繰り返します。

「人は自分の思ったとおりに動きたい」と思っています。

だから、見込み患者は自らの意思で決めたいのです。

見込み患者は、自らが検討し、自ら絞り込み、
自ら判断したいと思っています

そのため、あなたが専門家として傍らについてサポートする。

それこそ、見込み患者のお役立ちです。

そして、それを行うのが“質問型歯科カウンセリング法”なのです。

 

 

ステップ3 「希望する未来を手に入れるためにとった行動」を質問して聞く

 

実は、このステップこそが、質問型歯科カウンセリング法の肝です。

そのため、この段階での質問ができるようになれば、
カウンセリングをスムーズに行うことができ、
あなたは質問型歯科カウンセリング法を習得したのも同然です。

ここまであなたは、見込み患者の現状を質問し、
希望する未来も確かめました。

さらに、希望する未来を手に入れるためにとった
行動も明らかにしました。

ここからが、質問型歯科カウンセリング法の
最も重要な部分に入ります。

ここができるかどうかによって、
あなたがカウンセリングを成功させ、
質問型歯科カウンセリング法を完成するかどうかが
決まります。

それは、見込み患者に、問題・課題の解決策を
質問することです。

これが最も重要なステップ3の
「希望する未来を手に入れるためにとった行動」
の質問です。

ここまであなたの質問にすべて答えてきたということは、
これらについて、見込み患者は自分なりの解決策も
すでに考えている可能性があります。

だから、希望する未来を手に入れるためにとった行動についても
聞いてみるのです。

なぜなら、「人は自分のおもった通りに行動したい」からです。

希望する未来を手に入れるためにとった行動を質問すると、
「大したことはしていませんよ」
「どうしてよいかわからず困っています」
と言われるかもしれません。

しかし、意外と希望する未来を手に入れるために、
いろいろ行動をしてきた方もいます。

ですから、まずは次のように質問してみてください。

「○○さんは、これまで××するために、
どのようなことをしてきたのですか?」

 

ステップ4 「提案」

 

いよいよ最終ステップです。

ステップ4こそが、あなたが提案する番です。

ここで提案できるのは、
ここまでのステップをしっかり踏んできたからこそ
効果があるのです。

 

提案に際しては、次のようなパターンがあります。

① 見込み患者の中にその解決策があれば、
     それを聞き、その手助けができることを伝える

② 解決策がなければ、あなたが歯科医としての
        解決策が役に立つことを伝える

③ 見込み患者に解決策がなく保留している場合も、
        専門家であるあなたがアドバイスする

いずれにせよ、まずは見込み患者に
「希望する未来を手に入れるためにとった行動」を
質問してみることです。

 

具体的には、次のように質問してみるといいでしょう。

「○○さんは、新しい入れ歯を自分の理想的なものにするために、
これまでどんなことをしてきましたか?」

 

先ほどの例で続けます。

例1)

患者:「そうですね。主人とも相談しましたがお金にこともありますので
自分の歯のように好きな食事ができて、違和感なくおしゃべりができる。
そして、見た目も自然な入れ歯が希望なので、
どの点を一番重要視するかをもう一度考えてみます」

あなた:「なるほど。それはいいですね。
よろしければ、私も専門家としてアドバイスできることがあると思います。
そのうえで、じっくり考えてみてはいかがですか?」

例2)

患者:「そうですね。新しい入れ歯づくりには何が重要なのでしょうね」

あなた:「重要点はいろいろありますからね。もしよろしければ、
新しい入れ歯について、専門家の立場からお話させていただきましょうか。
改めてご提案する時間をお取りいただけないでしょうか?」

例3)

患者:「とりあえず、今の入れ歯でがまんして、あせらず考えてみます」

あなた:「そうですね。それもいい方法です。
ところで、考えるにあたって、作り直すには何に注意すべきかを
考える必要があるのではないでしょうか。

よろしければ、私が専門家としてお話させていただけないでしょうか?」

 

いかがでしょうか?
このようにステップ3で希望する未来を手に入れるためにとった行動を聞いて、
続く最後のステップ4で提案する。

これこそが私がふだん行っているカウンセリング法、
つまり質問型歯科カウンセリング法です。

 

まとめ

 

・ 歯科医院で行われるべきカウンセリングの目的は
   患者ニーズを明らかにするためのものである

・ 患者ニーズを引き出すためには4つのステップが必要

・ 患者ニーズを引き出すポイントは、人間の行動原則を
   理解しなければならない

・ カウンセリングの最終段階である「提案」は
   患者に選択肢を与えるためのものである

・ どんな補綴を選択するにせよ、決定権はすべて患者にある

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